カモケンとは?

加茂湖

カモケン:佐渡島加茂湖水系再生研究所

カモケンは、加茂湖水系の自然再生と流域の地域づくりを目的として、2008年7月に誕生した市民研究所です。加茂湖の漁業者、流域住民、子どもたち、行政関係者、研究者など、さまざまな立場の人びとが協働で加茂湖の再生に取り組んでいます。

湾岸の八割ほどが矢板護岸で覆われてしまった加茂湖では、周囲の丘陵地からの水の流れが遮断されてしまい、水質悪化が深刻化しています。湖水の富栄養化が進んだことで、2010年からは二枚貝に致命的なダメージを与える赤潮プランクトン(ヘテロカプサ)が発生するようになり、カキ養殖業に大きな被害をもたらすようになりました。


カモケンメンバー

こうした状況を受け、環境保全を求める声が加茂湖の漁業者を中心に高まっています。かつて加茂湖は「越の湖」という景勝地として知られ、その風景の美しさは加茂湖八景として謳われました。湖岸にヨシが茂り、生き物が豊かだった水辺は、豊かな海の幸を運んでくれただけでなく、子どもたちが集う遊び場でもありました。この湖で泳ぎを覚え、遊びながら貝や魚を獲って晩ご飯のおかずにしたという話を、漁業者の方たちはなつかしそうに語ります。

残念なことに、今ではヨシ原も子どもたちも、加茂湖の周りでほとんど見ることができなくなってしまいました。生き物の種類も数も減っているそうです。


カモケンメンバー

加茂湖を佐渡島の宝物として後世へと伝えていくために、自分たちの力で自然再生をしよう!こうした思いをもつ人びとが集まり、カモケンの活動がスタートしました。
カモケンのモットーは「みんなが先生、みんなが生徒」、それぞれの人の経験や知見、あるいは感性を生かして、地域の環境保全を進めていくことです。

水の中の様子をよく知る人、流域の文化に関心がある人など、それぞれの得意分野を生かして加茂湖の再生に取り組んでいます。カモケンでは、子どもたちも先生になります。大人たちとは違う目線から、魅力的な水辺づくりの提案をします。


カモケンのしくみ

多様な視点の交わる場として、カモケンは発展してきました。加茂湖の魅力づくりとその発信に向けて、みんなで一緒にプランを考え、小さなアクションを積み重ねています。加茂湖が佐渡島の宝物となるように、流域全体へと参加の和を広げていくことが目標です。